女性の車に衛星利用測位システム(GPS)を取り付けて居場所を知る行為がストーカー規制法違反には当たらないとした今年7月の最高裁判断を受け、警察庁は9日、東京都内で、今後の規制の在り方を検討する有識者会議の初会合を開いた。今回も含め、4回程度の会合を開いて議論を重ね、来年1月末までに報告書をまとめる予定。 有識者会議の委員には刑法や行政法の専門家に加えて、被害者支援団体の関係者、ストーカー規制法制定の契機となった平成11年の桶川ストーカー殺人事件で娘の猪野詩織さん=当時(21)=を亡くした父の憲一さん(70)らが選ばれた。 この日の会合で警察庁の小田部耕治・生活安全局長は「被害者などの安全を最優先に対処してきたが、今回の最高裁判決を受け、GPS機器の利用を含めたストーカー事案の現状を踏まえ、規制の在り方を検討してもらいたい」などと述べた。 警察庁によると、ストーカー事案の相談件数は近年高止まりの傾向にあり、昨年は2万912件だったという。ストーカー規制法違反の摘発も864件。またGPS機器を用いて被害者の動静を把握した行為を摘発した事例は平成26年から今年6月まで59件あったという。ただ、最高裁判断を受け、7月以降は同種の摘発はない。 GPSは、携帯電話やカーナビゲーションなどに対応。多くの機器が流通して位置情報を確認できるアプリも手軽に入手できる環境にある。ストーカーが車や自転車に取り付け被害者の居場所を確認する例も目立つとされる。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース